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  • 【雑誌連動企画】X(cross)shooting
    池谷友秀×COSINA〜ロケレポート

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    池谷友秀氏の海撮影スタイル。慣れたものである。

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    今回の主役たち。フォトグラファー池谷氏とモデルの岡崎優、内山晏那そしてカメラシステム。

  • PASHA STYLE BOOKとwebの連動企画が
    好評のX(cross)shooting。
    個性豊かなレンズを発表し続ける
    COSINAがvol.4でタッグを組むのは水中撮影で
    恐ろしいまでに優雅で鋭利な作品を発表する
    PASHA STYLEポートレイトナビゲーター
    池谷友秀氏。彼の作品撮りには億を超す画素数の
    カメラが用いられることが常だが
    今回の撮影では超コンパクトなSONY α7Ⅱと
    Voigtlanderのシステムで臨んでもらった。
    この組み合わせから生み出された作品は
    雑誌に掲載済みだがwebではその舞台裏を
    少しだけお見せしたいと思う。

  • カメラとストロボにはしっかり防水対策を。

  • まずは入水前に陸上でリハーサル。

  • 池谷)COSINAさんとのセッション撮影をするにあたって、いつもとは全く違う機材を使うことになったわけだけど、どうせならボクがずっと撮り続けている「WAVE」という作品に新しい要素を盛り込んだ撮影にしようかなと。いつものコンセプトにエイジング(寂び)という要素をプラスしてね。今回から衣装を変更して、毎回一緒の衣装で何年か撮影していこうと思っている。その第1回目がこのX(cross)shootingなんだ。
    https://tomohide-ikeya.com/wave

    5月初旬の薄っすらと雲のかかった
    ディフューズされた光の風が強い日。
    普通に海岸で遊ぶ人、キャンプを楽しむ人、
    サーファー、釣り人が集うロケーション。
    機材車から撮影ポイントまで砂浜を挟んで一直線。
    池谷氏はここをよく撮影場所として使うという。
    波に飲まれ続ける撮影は
    モデルの身体にも負担が大きい。
    終了後のケアを含めこの場所がいいのだ。

    制作からこだわった衣装に着替えたモデルと
    今回の撮影を軽く打ち合わせ、海に入る前に
    陸上でリハーサルしながらイメージを共有する。
    1度海に入ってしまえばそこからは
    フォトグラファーとモデルとのアドリブの
    応酬が精魂尽きるまで繰り返される。

    池谷)モデルのキャスティングや衣装については男女の区別がわからないようにしたかった。髪型がほぼ一緒のモデルさんを選び、衣装も男女ともに袴のようなワイドパンツにコートというスタイルにした。インナーの羊毛は自分たちで毛を刈り染色してオリジナルで作ったんだ。

    海での池谷流撮影スタイルは
    はじめてと語っていた
    モデルの岡崎くんと晏那さん。
    少しずつ海に入って徐々にテンションを
    上げていくのかと思っていたら
    いきなり二人で海中にダッシュ&ダイブ。
    撮影クルーもそれに続く形で一瞬で
    撮影はトップギアに入った。

  • どんなに格好良くポージングを試みても
    どんなに都合のいいポジションを取ろうとしても
    抗うことの出来ない波飛沫に思惑は消し飛ぶ。
    それでもフォトグラファーは求め
    モデルは応えようとする。
    寒さや容赦なく体内に侵入してくる水や砂の痛み。
    何度も何度も背後から正面から、
    あらゆる方向から押し寄せてくる
    波の運動に挑み、押し流されていく
    偶然が生み出す瞬間瞬間を池谷氏は追い続けた。

    池谷)この日はすこし風が強すぎて波が砕けてしまったね。小さい波がたくさんきて、大きな動きを撮ることはできなかったけど、それはそれで良いかな。本当はもっと高いところのアングルも撮影したかったね。
    この「WAVE」というシリーズはどうしても動きが激しくなるので、いつもはオートフォーカスのZOOMレンズを使っている。こんな厳しい撮影で、マニュアルフォーカスの単焦点を使うことになって、はじめはどうなることかと思ったのだけど、とても無理なく使えた。それにしても5月の海はまだまだ冷たかったね(笑)

     
    普段大判デジタルを使用している
    フォトグラファーが、コンパクトな
    マニュアルフォーカスレンズを使って
    作品撮りをするという、
    ありえないマッチングを実現させる
    X(cross)shootingの面白さが現れた
    コラボレーション撮影だった。