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  • 映し鏡を使い、無限に広がる世界を演出する

  • PASHA STYLE編集長ooxoの撮影現場レポート
    今年のテーマは「jardin'k」の世界観の具現化

  • 無気力の世界、でも生きることをやめられない現実……そんな虚無感を演じる

    • 現場はまるで映画を撮るようにひとつのシーンから次のシーンへと撮りつないでいく

    • PHASE ONE IQ3(1億画素)で繊細なjardin'kのスタジオを写し込む

    • jardin'kオーナーも作品に対して、イメージを妥協なく具現化していく

  • 今期、PASHA STYLE編集部の編集長ooxoはLumiere'kのオーナーとタッグを組み、2ヶ月に1度というペースで、世界観ある作品を創る活動を進め、アートやクリエイティブをもっと身近に楽しめるものとすべく、色々なアーティストを巻き込みながら作品作りの場を広めている。

    今回は、studio jardin'kのオーナーが世界観を提案、スタジオのセットを組んだ。
    テーマは「jardin'kの世界観の具現化」。
    スタジオのイメージをとことん突き詰めていく、そんな作品だ。
     
     
    Lumiere'kが亀有に完成し、jardin'kがオープンして以来ずっとスタジオのオフィシャルフォトグラファーとして、告知・広告用の撮影を担当してきたooxo。
    オーナーのアーティスティックな思考を、具体的なイメージとして写真にする仕事を担ってきた。

    今回は、そんなふたりの作品に多くのモデルが絡んだ作品となる。
    「死」にも近い「無気力」の世界。
    生きる気力もないが、死にたくはない。
    何もかもが廃墟化する中、それでも人は見栄やプライドに縋り付く。
    そんな絶望すらも無駄に思える
    永遠に続く「虚無」を描く。

    無限に続く映し鏡と、それを効果的に使うために用意されたマジックミラー。
    オーナーならではの発想と準備によって撮影は進められていく。

  • 撮影現場は独特の空気感と強烈な熱量で、創作意欲を異常なまでに掻き立てる

  • 暗いスタジオ内では、不用意に人工の光を入れると空気感を壊しかねない

  • 現場に用意されているのは
    強烈なスタジオの存在感。

    豪華な装飾を施された鏡やシャンデリア。
    死んでるようで生きている人間。
    それらをよりリアルにそして鮮明に写し込むために、ooxoはPHASE ONEの協力の下
    XF IQ3(1億画素)を用意。現場の空気感の全てを逃さず納める手はずを整える。

    ストロボシステムは、大きな光と小さな光を使い分けるために profotoB10&B1と
    NISSIN DIGTALのAir10s&MG10を用意した。
    現場であるjardin'kはとにかく暗く、光の強さひとつでイメージがガラリと変わってしまう。
    人が放つ熱と蝋燭の炎、白熱球が放つ熱で現場は驚くほど熱く集中力を削ぎ落とされる中、ooxoはオーナーの創ったセットの魅力を活かしつつ、写真の中に納めていく。その画像は大判印刷も見越して、少しでもクオリティを高く保たなくてはならない。
    感度、ピント、絞り、そして光。
    全てのバランスをとりつつシャッターを切る。
     
     
    現場ではooxoとオーナーが相談しながら、鏡の位置や装飾品の配置、蝋燭の位置などをこまめに設定。
    モデルが入り、這い回ることを考慮しながら、全体の配置バランスや鏡の向きなどをセットしていく。
    そして、モデルにはテーマはもちろん、動きや表情などを予めお願いした上で、実際撮影しながらリアルタイムに指示を追加していく。現場は撮影が進むにつれ、モデル達の演技と、オーナーやooxoの熱意でヒートアップし、一種のハイ状態に陥っていくのだ。
     
    その中で創り出された画は、モニターの段階ですでに荘厳なものとなった。
     
    これが大判プリントされたら、きっと壮絶な迫力を放つことだろう。

    • NISSIN DIGTALのAir10s&MG10を使い、光量を細かく調整しながら全体の仕上がりを整える

    • スタジオ内は蝋燭など幻想的な演出を施されている

    • IQ3が1億画素の攻撃的な描写で真っ暗なスタジオの中でもリアルな質感を再現してくれる

  • そもそもPASHA STYLE編集長とLumiere'kオーナーの出会いは、
    とある女性ダンサーモデルの紹介によるものだった。

    2014年の1月に紹介をうけ、2014年の3月には、
    当時のスタジオで、ダンサーモデルと共に3人での作品撮りを決行する。
    それはまだLumiere'kがスタジオとして本格始動する前だが、
    すでにその世界観は熟成していた。
    そして2015年3月には今のスタジオ所在地である亀有へと移転し、
    みなさんも知っているstudio Lumiere'kとして更に進化を遂げた。

    Lumiere'kの魅力は、単なるスタジオに収まることなく
    オーナーの空間作品として、強いこだわりと世界観を
    とことんこだわり抜き、具現化し、更にそれが進化し続けるところにあるだろう。
    まるで生き物であるかのように常に変化し、そして主張する。
    そんなstudio Lumiere'kだからこそ、今の人気があるのだろう。

    今作品創りを考えているフォトグラファー・モデル・クリエイターの読者の方々には、ふたりの作品のように情熱やこだわりをぶつけた創作活動をサポートしてくれるstudio Lumiere'kがお勧めだ。


      
        
    ooxo (オオォ)
    PASHA STYLE編集長 大森和幸
      
    PASHA STYLEのチーフプロデューサー兼チーフエディターと同時に、10年以上にわたり創作作品からビューティー・スナップまで幅広く撮影。
    昔、会社帰りの暗い時間にしか作品撮りが出来ず、それでもその環境で作品を撮り続けてきたことから「闇の帝王」と呼ばれた。(現在のHASEO氏と展開する「闇の王展」の名前の由来でもある)
    どんな状況でも作品の完成度を突き詰められる、現場力の高いフォトグラファーである。
  • 【 傀儡と呻き 】

    それが一つの体であれば

    この世に救いはなく

    悍ましい

    簀に群れをなし

    やがて貪り尽くすとき

    毒される体

    この世界を

    漂うように
    亡霊のように
    這いずり回って

    打ち上げられた鱗

    そこで野垂れ死ぬ

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