10月末にタムロンから発売された、SONY Eマウント用ポートレートズームレンズ『35-150mm F/2-2.8 Di III VXD （Model A058）』の使用感をレポートします。

編集部員の鈴木が公園でスナップとポートレート撮影を行い、ユコがPASHA STYLE主催のPASHA KIDS撮影会（スタジオ）で撮影しました。レンズをお借りしている期間中にPASHA STYLE写真教室も行われたので参加者のtakaさんに撮影してもらいました。

このレンズは、準広角35mmから望遠150mmまでカバーするズームレンズ。

焦点距離35ｍｍから150ｍｍは撮影位置を変えずに全身から表情のアップまで撮影できるので、

ポートレートに必要な描写はこれ1本で撮れちゃうという話題のレンズ。

高倍率ズームレンズだと開放Ｆ値が4通しを連想してしまうが、なんと広角端で開放F2を達成している。

外装は美しく艶光をするブラック塗装。重厚で高級感があり、なんだか自慢したくなってしまう逸品。

永くお付き合いするレンズはやっぱり見栄えも大切です。

「コスモスが美しく咲く公園でモデル撮影」　photo：鈴木

撮影当日はどんよりとした曇り空で、ときより小雨がぱらつくあいにくの空模様

普段ならなんとなく気も滅入ってしまいそうになりますが、今日はなんだか肩も軽い。

それもそのはず普段は標準ズームレンズ、単焦点レンズ35mm、50mm、85ｍｍの合計4本と重い荷物を持って歩かなければいけないところ。今日は、たった1本のレンズだけ。これなら広い公園も足取り軽く進んでいけます。

ご協力いただいたモデルはyuaさん（Twitter：@yua_0512_A） 目的地に着くと目の前に広がる色鮮やかな黄色の花畑（作例①②➂）

。「レモンブライト」が満開に咲き乱れていました。

普段なら広角では背景にたくさんの人物が写ってしまうところ、あいにくの空模様のおかげで人もまばら。

遠慮することなく撮影することができました。

作例①ISO800　70mm　f5.6　1/200秒

大口径でも高速で素早いオートフォーカスは、最短撮影距離から無限遠まで素早くピントを合わせることができ、ストレスがありません。

普段は単焦点レンズを使用することが多いので画角を変えたければ足を使うしかありません。

動かなくても広い画角が撮れてしまうズームレンズに戸惑いを覚え、なにを撮っていいのか頭が混乱。

オートフォーカスは素早くても、その前にどの焦点距離にするのか迷ってしまいました。

「好天の日曜日、近所の公園でスナップ撮影」photo：鈴木

作例④ISO100　35mm　f16　1/160秒

前回モデル撮影では天気が悪かったので、別日に近所の公園にスナップ撮影に行ってきました。

焦点距離の長いズームレンズなので広角35mmを使えば風景写真が撮れて（作例④）、望遠を使えば気になった花をその場でクローズアップして、撮ることもできます。

広角端35mmでの最短撮影距離は0.33m、望遠端が0.85mで最大撮影倍率は1:5.7と被写体を大きく撮影できるのもこのレンズの魅力のひとつ。コスモスに近寄り背景のボケ感も見たかったので花を左に配置しました（作例➄）。

公園を散歩していると水面に浮かんだ落ち葉が印象的でカメラを構える。1段半絞って撮影してみたら非常にシャープでコントラストが高く繊細な描写をしてくれました。（作例⑥）

雑木林の中に足を踏み入れると木々の合間から木漏れ日が見えた、逆光ではどんな描写をするのか気になり、画面に太陽をいれて撮影。ほぼ開放のF3.2で撮影すると昼の柔らかな光を的確に描写しているのがわかります（作例➆）。

作例⑧はしっかりと絞るとどんな風になるのかみたかったのでF16に絞って撮影。光芒がとても美しく惚れ惚れとする写りに感動した（作例⑧）。

「PASHA KIDS撮影会」　撮影：ユコ

作例➈ISO400　36mm　f2.0　1/200秒

『PASHA KIDS撮影会』は、スタジオ、衣装、メイク、撮影までをPASHA STYLEがプロデュースしてお子様を撮影するイベント。今回はPASHA STYLEではお馴染みの衣装デザイナー「アリスガワアリス」さんのBlueドレスにあわせて、青の雰囲気のあるスタジオを使用してPASHA STYLEスタッフでフォトグラファーのユコが撮影を行いました。タムロンのズームレンズを使えば、作例を見て貰えばわかる通り1本のレンズとは思えないほどのバリエーションが撮れ、大きくはないスタジオでもこれだけ作品の幅が広がります。

作例➈model：KIWA　（Instagram：kiwa_grace)

作例➉model：Ai　（Instagram：aster.pia）

作例⑪model：HITOHA　（Instagram：sunnyluna_star）　

『撮影実習から学ぶPASHA STYLE写真教室』　撮影：taka

講師にPASHA STYLE大森編集長、モデルにみなみまなみ（Twitte：r@mnm_xlxaaa09）さんをお招きしてPASHA STYLE写真教室を毎月開催しています（詳細はこちら）。

「ドラマティックな演出を取り入れてみよう」をテーマに作品撮りをした際に、

参加者のtakaさんに撮影していただきました。夕陽に照らされてドラマティックな演出となっています。

「タムロンの35-150mmは逆光でも解像度が高く、素早くピントが合い使いやすかった」とtakaさんからコメントをいただきました。

【使用してみての感想（鈴木）】

『35-150mm F/2-2.8 Di III VXD（Model A058）』は、これぞまさにポートレートレンズ。

せっかくリズムに乗って撮影していても、レンズ交換で撮影が途切れてしまっては、モデルさんも集中力が切れてしまいます。

シームレスな撮影は結果として良いポートレートを撮ることができる環境を生み出してくれました。

焦点距離が長いので、全身を撮影しているとき、あっ！いまの表情とってもいいと思えば瞬時に望遠に持っていけるのは本当にうれしいことでした。

35mmでF２スタートの明るさは魅力的。明るい標準ズームレンズといえばF2.8が一般的。変動ズームとはいえF２スタートはこのレンズ最大のポイントです。

重さは1165gで長く持っていると重く感じることもありますが、『28-75mm F/2.8 Di III VXD G2』が540g、『70-180mm F/2.8 Di III VXD』が810gで2本合計1350g。標準レンズ・望遠レンズを合わせた長い焦点距離を1本で兼ね備えているので結果持ち運びは楽になります。

そしてなによりタムロンらしいやさしい描写力は女性の美しさを引き出してくれました。

望遠レンズの圧縮効果は魅力的で、使っていると買いたくなる、ポートレートフォトグラファー垂涎の1本です。

『TAMRON Lens Utility』でレンズを自分の好みに合わせてカスタマイズ

USB TYPE-Cでコンピュータとつなぐことでレンズのカスタマイズを実現。

『TAMRON Lens Utility』はUSB Type-Cが搭載されているタムロンレンズとコンピュータを接続することで、カスタマイズやファームウェアのアップデートが自分でできる。

フォトグラファーの使い方に応じてカスタマイズすることができるのでぜひこちらもぜひ使ってみたい機能だ。

代表的なカスタマイズ

「A-Bフォーカス」

被写体Aから被写体Bへスムーズにフォーカスを移動させる機能。フォーカスのスピードも変更できるので、ムービーのときはとても便利な機能となっている。

スチールでも、例えば星景ポートレート撮影のときに、モデルから背景の星空へ素早くフォーカスを移動することができる。

「フォーカスプリセット」

記録したピント位置へクリックひとつでフォーカスを移動することができるので、日中にピントを記録しておけば、暗くなっても正確にピントを合わせることが可能となる。

【製品仕様】

モデル名　35-150mm F/2-2.8 Di III VXD（Model A058）

焦点距離　35-150mm

明るさ　 F2-2.8

最小絞り　F16-22

レンズ構成　15群21枚

最短撮影距離　0.33m (WIDE) / 0.85m (TELE)

最大撮影倍率　1:5.7 (WIDE) / 1:5.9 (TELE)

フィルター径　82mm

最大径　89.2mm

長さ　158mm

重さ　1165g

絞り羽根　9枚 (円形絞り)

対応マウント　SONY Eマウント用

希望小売価格　22万9900円(税込)

緊急告知

モニターを募集します！

【応募方法】

Twitterに普段撮影している作品と共にタムロンレンズを使ってみたい意気込みを書き

「＃A058モニター」「＃pasha_magazine」の2つのタグをつけてツイート。

【貸出期間】

12月5日〜12月20日

【応募締切】

12月3日（金）23：59

【応募条件】

期間中に作品を撮ることが出来る方

撮った作品と使用感をツイートやポストにてレポート頂ける方

上記レポートをPASHA STYLE側で記事にまとめることに同意いただける方（写真使用などに問題ない方）

機材お受取〜返却までをスムーズに丁寧に行っていただける方

text：SUZUKI HIROYUKI