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    硯谷昭広 × Sony α7C








2020年10月23日に発売された注目のミラーレス一眼カメラ α7CをPASHA STYLEポートレートナビゲーターの硯谷昭広さんがテストシューティング。


今回は第1回PASHA STYLE認定展の準グランプリを獲得した(その時の記事はコチラフォトディレクターの西村毬乃さんを中心に、フォトグラファーの硯谷昭広さん、ヘアメイクアップアーティストのEllieさん、モデルのSayukiさん、Photo&Art Spaceらんすみれの山中浩一さんが結集した作品撮りで、α7Cを使用して頂いた。







【使用機材】

カメラ:α7C

レンズ:FE 28-60mm F4-5.6

※2021年1月29日に単品発売予定。現在はキット販売のみ。

FE85mm F1.4GM









FE85mm F1.4GM



作例① シャッター速度1/100 F1.4 ISO400




作例② シャッター速度1/100 F1.4 ISO400







α7Cを使う時に使いたいレンズを硯谷さん問うと「85mmのF1.4(正式名 FE 85mm F1.4 GM)が使いたい」とのお答え。

『FE 85mm F1.4 GM』は光学性能を一切妥協しないレンズ開発をしているG Masterを象徴する1本。焦点距離的にもポートレートで使われることが多い代表格。

 

それでは実際に使用してみた感想を硯谷さんに語ってもらいましょう。




開放で撮影すれば、何気ないメイク中のシーンも美しく仕上がる。


【硯谷’s VOICE】

「85㎜のレンズって、ポートレートに最適と言われているのですが、僕には合わない焦点距離なんですよね。普段の撮影ではほとんどのシーンで55mm F1.8ZAを使っています。

 

今回、α7Cに触れる機会を頂いたので、自分では所有することがないF1.4の85㎜を使わせてもらいました。実は85㎜のF1.8のレンズは持っていたのですが、あまり使わないのですぐに手放してしまったんですよ。使ってみて、正直驚きました。F1.8と大して変わらないのかと思っていたのですが、ボケは綺麗で解像度があって、ピントの浅いレンズなのにピントの山がキッチリとシャープ。さすがG Masterと言う感じでした。

 

作品撮りでは85㎜の焦点距離は出番がなかったので、メイキングシーンで使用しました。ボケ味が美しく雰囲気のあるものが撮影できました。今回は室内でのテスト撮影しかできなかったので、機会があれば屋外でも撮影してみたいです」




作例①拡大 ピントが合っている部分はシャープ。





FE 28-60mm F4-5.6

 



作例③ シャッター速度1/50 F5.6 ISO400 焦点距離44mm




作例④ シャッター速度1/50 F5.6 ISO100 焦点距離48mm


『FE 28-60mm F4-5.6』は、α7Cのコンパクトなボディにマッチする標準ズームレンズ。

使用頻度の高い28~60mmまでの焦点距離をカバーする。重さが約167gと驚くほどの軽さを実現したレンズで、実は35mmフルサイズセンサー搭載デジタル一眼カメラ用のズーム交換レンズとして世界最小・最軽量を実現している。沈胴式を採用しているので、使わない時はさらにコンパクトになるところが嬉しい。







【硯谷’s VOICE】

「今回の作品撮りのアナザーストーリーの撮影でα7Cを使いました。室内のスタジオだったので、焦点距離的にα7Cのキットレンズ『FE 28-60mm F4-5.6』をメインに使用しました。キットレンズで作品撮りとか無理でしょ! と考えている方は作例③と④を見てください。これだけのものが撮影できちゃうのです。凄くないですか!? 

データを見てください。絞りがF5.6。ほどほどに絞っているなぁと思いますよね。実は絞り開放で撮影しているのです。このレンズ28mmだとF4なのですが、すこしズームすると絞りがF5.6になる。だから開放です。絞りこんで撮影すればそれなりにキットレンズでも使えるとは思っていたのですが、開放でここまでの画が撮影できるとは想定外でした」





α7C



作例⑤ シャッター速度1/50 F5.6 ISO100 焦点距離44mm ※ブレ部分はPhotoshopでレイヤーを複製し合成処理


α7シリーズはベーシックなα7と高解像度のα7R、高感度のα7Sの3つのシリーズで展開してきた。

 

テストシューティングに使用したα7cは、α7シリーズに新たなに登場した4番目のシリーズで、コンパクトサイズが魅力。小さなボディの中にしっかりと35mmフルサイズExmor R CMOSセンサー(約2420万画素)を搭載している。軍艦部を無くしたデザインを採用するなど、今までのα7とは違った印象を受けるシリーズ。

 





【硯谷’s VOICE】

「普段、α7R IIIを使っているので、発表された時からα7Cには注目していました。僕がα7シリーズに感じていた一番の魅力はボディが小さいところ。今はα7R IIIを使っているのですけど、初代α7のボディが小さくて好きでした。α7 IIで手ブレ補正が付き、バッテリーの持ちの改善などで少しずつボディが大きくなって、とうとうα7R IVでは僕の手には馴染まないサイズになってしまいました。ちょっと残念です。そんな時に新たに発表されたのがα7Cでした。

バリアングルモニターを搭載したモデル(写真②)なので賛否両論あると思うのですが、僕はファインダー(写真③)を覗いて撮影することが多いのでモニターについては気にならなかったです。

作品撮りの時はメニューボタンが普段使っているα7R IIIと違って、ボディの真ん中(写真④)にあって、指が届かないのと設定メニューのUIが変わっていたので細かい設定はカメラにお任せしました。それもこれもすべてはリアルタイムトラッキングのおかげ。作品撮りの前にカメラを触ってみたら、α7R IIIだと顔が斜めの構図だと奥側の目にピントが合うことがあったのですが、それが全くなくて驚きました。これなら細かいピントはカメラにゆだねて大丈夫だと思い背面液晶で構図のみを考えて撮影。とにかくAFが優秀です。

不満点はと言えばシングルスロットのところ(写真⑤)。自分は仕事の撮影中、SDカードのデータを静電気破壊で完全消失という苦い経験をしているので、できればデュアルが嬉しいかな。メディア自体は信頼性が高いものがでてきているのだけど……。あとカスタムボタン(写真⑥)が減ってしまったことが残念かな。

スタイル的にはα7Cは動画やスナップに良さそうなカメラなので、スチールでの作品撮りをしようと思う方は少ないと思うのですが、使ってみた感想としては作品撮りにも耐えられるポテンシャルを持っていると感じました」

 





【プロフィール】

硯谷昭広instagramfacebookWeb

広島県生まれ。結婚式場のカメラマンを経て、1997年広告写真家・神林章夫氏に師事。

2000年よりフリーランスとなり、広告、コーポレート撮影やポートレートの分野で活動中。



【STAFF】

Total direction:西村毬乃(instagram

Model:Sayuki(instagram

Hair &make up:Ellie(instagram

Studio:Photo&Art Spaceらんすみれ(instagram







次回のテストシューティングはパナソニック LUMIX SシリーズのS1・S1R・S5を、PASHASTYLEアンバサダーのMaeshinさんが徹底比較します。



Text:SATO TAKESHI